食事に対するコスト管理の記事

栄養士の主な仕事といえば献立作成があると思いますが、ただ献立をたてればいいというものでもありませんよね。

得意先に指定された栄養価や価格を満たす献立にすることはもちろんのことですが、いち会社員として、会社に利益をもたらす献立でないとなりません。

近年食材費や光熱費の値段が上がり、コスト管理に苦労している事業所も多いのではないでしょうか?

今回はそんなコスト管理のコツについてお話ししましょう。

まずは、損益分岐点を求めてみましょう。

コスト管理を考える前に今の状況を把握することから始めてみましょう。

今のあなたの事業所は利益がどのくらいでている状態なのか?はたまた赤字なのか?

1日平均いくら売り上げると利益がでるのか?

それでは、損益分岐点を使って今の状況を把握してみましょう。

損益分岐点売上高とは、利益が0円のときの売上高のことを言います。

売上高がこの損益分岐点売上高を超えていれば利益がでている状態、この損益分岐点売上高を下回っていれば赤字の状態というときの売上高のことです。

この損益分岐点を求めるために費用について考えてみましょう。費用は大きく2つにわけることができます。

  • 変動費:売り上げが0円の時に、0円となる費用。
    売り上げが増えれば、その分だけ増える費用。
  • 例えば…材料費、仕入れ費用、基本使用料以上の光熱費など。
  • 固定費:売上高が0円の時にも支払わなければならない費用。
    売り上げの増減に全く関係しない費用。
  • 例えば…人件費、家賃、光熱費の基本使用料など。

この2つを合わせたものが総費用になります。

では、損益分岐点売上高を求めてみましょう。

損益分岐点売上高=固定費÷{(売上高-変動費)÷売上高} で求めることができます。

 
この損益分岐点売上高は利益が0円の時の売上高なので、この損益分岐点以上の売り上げを上げることが目標となります。

売り上げを上げるためには、以下の③つのコツがあります。

  1. 固定費を下げる。
    調理担当者の効率的な配置を考え、人件費の低下を図る、など。
  2. 変動費を下げる。
    材料費や仕入れ費用の見直しを図る、など。
  3. 売り上げ単価を上げる。
    売り上げ単価を上げることにより、変動費を下げることにつながります。

ABC分析を使っての食材のコスト管理をしてみましょう。

変動費を下げるには、食材のコスト管理をしていくことが欠かせません。

食材のコスト管理をするためには、ABC分析を使うと便利です。ABC分析を使ってメニュー分析と食材料費の原価分析をしてみましょう。

① メニュー分析

ある一定期間のメニューを売り上げ構成比(価格×注文数÷総売り上げ高)の高い順に並べてみましょう。

売上高の高いメニューの80%までをAメニュー。

売上高の高いメニューの次の15%までをBメニュー。

売上高の高いメニューの残りの5%までをCメニュー。とします。

Aメニューは、こちらの事業所にとって人気のメニュー。Bメニューは、こちらの事業所にとってそこそこ人気の定番メニューとなります。

それに対してCメニューはロスも多く、人気のない赤字メニューとなりますので、メニュー変更や、メニュー廃止を検討するなどコスト管理の必要のあるメニューになります。

② 食材料費の原価分析

ある一定期間の食材量の使用金額(単価使用量)の高い順に並べてみましょう。

総食材料費の上位80%までをA、次の15%までをB、残りの5%までをCとします。

Cの食材は、旬の食材や香辛料など、あまり使用頻度の高くない食材になります。Bの食材は、まあまあよく使う食材。トマトやキュウリなどの野菜や肉・魚などがこちらに分類されるかと思います。

それに対してAの食材は毎日たくさん使う食材になります。お米、卵、砂糖、醤油などの調味料がこれにあたるのではないでしょうか。

このAの食材を重点的に管理して安く仕入れることによって全体の食材料費削減につながることと思います。

具体的にどんなコスト管理の方法があるの?

損益分岐点を求めて、今の事業所の状況把握ができ、目標金額が分かり、ABC分析をすることで、重点的にコスト管理の必要なメニューや食材が分かったことと思います。

次に具体的にどのようなコスト管理の方法があるのかをみていきましょう。

① 納入業者や食品メーカー、食材ランクを検討し直す。

お米や野菜、などは納入業者を変えることでコストカットにつながります。同じ食材でも納入業者によって仕入れ単価が異なりますので、何社かに見積もりを出してもらいましょう。信頼できて、良い品質を安価で提供してくれる納入業者と契約するようにしましょう。

 
また、調味料もいろいろなメーカーがあり、味や価格も異なります。今使っているメーカーより安いメーカーに変えるという方法もありますが、味が大幅に落ちる場合もありますので納入業者に必ずサンプルをもらって検討するようにしましょう。大体の納入業者であれば、サンプル依頼にこたえていただけると思います。

 
お米やお肉などは産地や部位によって価格が異なります。お米のランクやお肉のランクを検討し直すのも良い方法です。こちらもサンプルを取り寄せて実際に試食をしてみて、今のランクをあまりかけ離れていないものを検討する必要があります。

② 食品展示会に足を運び、新商品やお買い得商品をチェックする。

給食委託会社であれば自社の展示会が、直営であれば納入業者主催の展示会があるかと思います。

展示会では食品メーカーの新商品やおすすめ商品が展示され、実際に試食をしたり、サンプルをお願いすることができます。商品の使い方や、アレンジメニューなども提案している場合が多いので、メニュー作りの参考になるかと思います。

また、食品メーカーの方と直接お話しができる機会なので、安い食材やおすすめの食材を直接聞けるいい機会でもありますので、積極的に足を運ぶことをおすすめします。

③ 既製品の○○のたれを使わずに手作りする。

ドレッシングや、マーボー豆腐のたれ、焼き肉のたれなど、既製品のたれを使用している事業所も多いかと思いますが、実は結構値段が高めのものが多いです。

最近ではレシピを公開しているインターネットのサイトも多くあります。ドレッシングや既製品のたれを購入する前に「これって簡単に作れないのかな?」とちょっと疑問をもち、調べてみると案外簡単に作れてしまうものも多いんですよ。

ただ、作るのに手間がかかってしまうものもありますので、人件費も考えて検討する必要があるかと思います。

④ 調理方法を検討する。

安価な食材を使うといつもの食材よりボリュームがなくなったり、パサパサしてしまったり・・・ということがあるかと思います。そんなときには調理方法を工夫してみましょう。

例えば、安価だけれどもパサパサとしてしまいがちな鶏の胸肉は切り方や焼き方を変えることでしっとりと柔らかく仕上げることができます。

揚げ物をするときも小麦粉にベーキングパウダーを入れることでボリュームも出ますし、揚げたときに食材が硬くなりにくくなります。

野菜の下ゆでをするときに塩ゆでをして下味をつけ、和える調味料を減らすなどの工夫をすることもできます。

調理方法を検討すると、コスト管理の近道になりますよ。

⑤ 設定数の調節をしてロスを減らす。

事業所によっては、年間を通して食数が安定せず、季節や曜日、行事や仕事状況によって食数が変動する場合もあるかと思います。

日々の食数を記録し、数年分のデーターをとってロスのない食数設定をしていくことが求められてます。

また、得意先の方と常にコミュニケーションをはかり、行事や仕事状況により、食数の変動がある恐れの日を教えていただくようにすることも大切になっていきます。

食数を減らし過ぎて、足りなくなっては困るので、追加で調理できるようなメニューの食材をストックしておき、緊急時にはそちらのメニューを提供できるようにしておくのも一つの方法ですよ。

損益分岐点やABC分析を用いたコスト管理から、具体的なコスト管理案をご紹介しました。

栄養士にとって食材のコスト管理は頭を悩ませる問題です。お客様の満足度を下げないように、日々工夫して食材のコスト管理をし、献立作成をしていきましょう。

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