保育園での悩み相談 その②

調理がいつもバタついてしまいます

入社したての新人の時期は、わからないことも多く、作業中に問題に突き当たることがたくさんあると思います。

保育園の調理の場合、一般の幼児食に加えて、離乳食やアレルギー食の細かな作業や対応が求められます。まずは、どうして調理中にバタついてしまうのか、自分で原因を考えましょう。

作業のスピードが遅いのか、途中で焦ってしまい失敗してしまうのか、理由は様々だと思います。調理がスムーズにいかない原因の多くは、事前の準備がしっかりできていないことが多いはずです。ですので、前日に献立を把握しておく・離乳食を食べる乳児やアレルギー食を食べる園児の出席状況を確認しておく・作業工程を自分でシュミレーションするなどの予習や準備が必要です。事前に予習や準備をすることで、作業中に問題が起きても対応できます。新人の頃は、「当日の朝に確認しよう」ではなく、毎回準備する癖をつけましょう。

どんな仕事でも、「仕事は準備で始まり準備で終わる」ことを忘れないようにしましょう。

保護者の方々と何を話したらよいか悩みます

保護者の方々と接する時間が多い保育士の先生はもちろん、接する時間が短くても、どのような先生が献立を立てていて、調理をしているのか、保護者の方々は気にかけています。お話しにも様々な内容がありますが、お話を振られて一番悩んでしまうのは、その保護者の方々のお子様に関する内容ではないでしょうか。

子供と接する時間が長い保育士の先生は、お子様の質問を投げかけられてもお答えできると思いますが、接する時間が少ない栄養士の場合、どう返答してよいのか悩んでしまうこともあると思います。

栄養士の皆さんも、「園児のことをもっとよく知ろう」という気持ちを持って、食事の時間に顔を出してみたり、時間があるときは園児と触れ合う時間を作りましょう。園児個人個人のことを理解することによって、園児との信頼関係も深まりますし、保護者の方々にお子様の園での様子をお話しできるようになれば、保護者の方々も、「よく見てくれているんだな」というように安心感をもって下さります。

また、栄養士の皆さんからも「何かお困りなことはございますか?」などと、積極的に話しかけ、保護者の方々とも信頼関係を深めていきましょう。一人で解決しようとしなくても、自分で返答できない内容なら、「園長に相談します」などと声をかけていきましょう。また、栄養や給食に関してどんな質問をされたとしても答えられるように、日々の勉強が大切だと思います。

よく噛まない(すぐ飲み込んでしまう)園児への対応はどうしたらよいですか

園でよく噛まずに食事をするということは、家庭でも同じ様に、よく噛まずに食事をしていると思われます。

よく噛まない園児は、軟らかいものばかり食べている・丼類の料理が多い・汁が多めの麺料理が多いなどといった傾向があります。まずは、園児の個人ノートを観察して、どのような食生活をしているのか観察してみましょう。

上記のような食生活をしているようであれば、野菜やきのこ類・海藻類など、咀嚼を多くする食材を使う料理や、食材を大きめに切るなどの工夫を提案してみましょう。

園では、よく噛んで食べると歯に良いといった健康指導などや、体の中で起こるメリットを伝える食育などを行い、よく噛むようにサポートしていきましょう。

家庭でのおやつの進め方

子供のおやつは、一回の食事ではまだ栄養分を十分に摂取できないため、一日の食事を複数回に分け、おやつで栄養を補う目的で食べます。子供のおやつは栄養素を補う「補食」として大切な意味を持ちます。おやつを家庭で勧めるにあたって大切なことは、スナック菓子や甘すぎるお菓子などを与えるといったように、「嗜好目的で与えない」ということを伝えることです。

おやつでは三大栄養素の不足を補うのはもちろんですが、ビタミンやミネラル、特に鉄分やカルシウムを豊富に含むおやつの提供が良いでしょう。そして、水分補給も忘れないように伝えます。1~2歳は単なるお菓子ではなく、乳製品・いも類・ご飯類・果実類などを組み合わせるとよいでしょう。3歳以降は、それらにお菓子を組み合わせてバリエーションを増やしますが、このお菓子は単なるスナック菓子などではなく、カルシウムや鉄分など、栄養素が強化されたお菓子が良いでしょう。また、市販のお菓子を与えるときは、添加物や塩分、脂肪分などに気を配るように声掛けをしましょう。

園児が発熱した時の対応

子供の発熱の原因は様々ですが、まずは水分補給をしっかりさせましょう。迅速に対応できるように、調理室には乳幼児用のイオン水の粉末を常備しておきましょう。粉末のイオン水は湯冷ましで作るので、湯冷ましも普段から用意します。38度を超える高熱が出た際は太い血管が通る場所を冷やす必要があります。固いタイプの保冷材ですと、冷やしたい個所にむらができますので、冷凍庫には、軟らかいタイプで冷やしたい個所にフィットしやすいコンパクトな保冷剤を用意しておきましょう。軟らかくフィットしやすい保冷材は、発熱時だけでなく、園児が転んでケガをした際や、どこかにぶつけてケガをした際にも使用できます。

子供に好評なクッキング保育

クッキング保育は、身近な料理ほど子供に好評です。野菜を切るだけであったり、材料を混ぜるだけで、それ以降は先生が行うクッキングでは、子供の達成感がありません。一から始め、最後まで自分でやり、自分で作ったものを自分で食べることによって達成感や、またやってみたいといったような気持ちが生まれます。

難しい料理にはチャレンジせず、春はピクニックでも定番のおにぎり、夏は縁日でよく見る焼きそばをホットプレートで作ったり、秋は餃子の皮で作成するきのこピザ、冬はクリスマスの行事でクリスマスケーキのデコレーションなど、季節に合わせて内容を決めるのも大切です。

箸がうまく使えない園児への指導法&⑧食具(スプーン・フォーク)がうまく使えない園児への指導法

スプーンが使いたくなる料理・食品

  • 軟らかく、汁気が多いものやつかみにくいもの(刺しにくいもの)・・・おかゆ、カレーライス、シチュー、茶碗蒸など
  • 小さいサイコロ状に切った食材(スプーンに乗りやすい大きさのもの)
  • 崩れやすいもの・・・かぼちゃの煮物、肉団子、煮魚など

フォークが使いたくなる料理・食品

  • スプーンには乗らないがフォークにはかかる長さのもの・・・うどん、そうめん、焼きそば、ラーメンなど
  • 刺しても崩れないもの・・・唐揚げ、コロッケ、ハンバーグ、シュウマイ、ウインナーなど
  • スプーンで食べにくいもの・・・サラダ(ブロッコリー、レタス、アスパラガス)、ほうれん草のソテーなど

箸が使いたくなる料理・食品

  • 長いものや太いものをつかむ必要があるもの・・・うどん、そば、きしめん等
  • ほぐしたり、骨や殻をとる必要があるもの・・・焼き魚、魚のムニエル、煮魚、貝の味噌汁など
  • 軟らかく崩れやすいもの・・・豚の角煮、うなぎ、おでん、マーボー茄子、お好み焼き等
  • フォークで刺しにくいもの・・・揚げ物、豚の生姜焼き等
  • べたべた・ねばねばしているもの・・・納豆、やまいもの和え物、オクラなど
  • 典型的な和食・・・ごはん、寿司、煮物、卵焼き、煮豆など

上記のように、食具によって、使いたくなる料理や食品があり、食具によって少し異なっています。

まず、スプーンであれば、スプーンで食べやすいかぼちゃの煮物をセレクトし、「かぼちゃの煮物をスプーンで食べてみよう」と声掛けをしてみましょう。スプーンで上手に食べることができたら、できたことをしっかり褒めて、「もっと自分でやってみたい」という意欲をサポートしていきましょう。できることを勧め、できたときの喜びや達成感によって、子供は「次回も頑張りたい」と自然に考えます。初めから難しい料理や食品にチャレンジさせず、できそうなことを一緒にサポートしていき、徐々にできることを増やして、「できる喜び」をたくさん体感させてあげましょう。

子供に効果的な語りかけとは

子供を叱ったり指導するときに、「ダメ」や「いけない」といったような言葉をつい使ってしまいがちですが、否定的な語りかけは子供自身が伝えたいことを遮ったり、やりたかったことを中断させてしまう可能性があります。明らかに友達を傷つけるような行為をしていたり、意地悪をしていた場合は、否定的な言葉も用いて、再度その行為をさせないように叱ることは大切です。ですが、それ以外の事で子供に対して語りかけをする際は、否定的な言葉は用いず、子供が考えていることややりたいことを大切にして、次のステップにつなげられるような言葉を使用しましょう。

例:野菜嫌いの子供。給食の時間で、主菜以外のものはよく食べるが、野菜がたくさん入った主菜にはほとんど手をつけない。

良くない語りかけ⇒
○○食べないと、おかわりできないよ!
全部食べないと、大きくなれないよ!
お野菜食べないなら、デザートはなしだよ!

良い語りかけ⇒
先生もさっき食べたけど、すごく美味しかったよ!一口食べてみる?
このお野菜、一口でも食べたら作ってくれた先生喜ぶよ!
お野菜を食べると体が強くなるよ♪ 午後も先生と元気に遊ぼう!

例:食が細いため、食事の際は他の園児より少なめに盛り付けをしている園児。引っ込み思案な性格もあり、完食できても、「もう少し食べたい」や「おかわりしたい」を自分から言えない様子が見受けられる。

良くない語りかけ⇒
たくさん食べないと力が出ないよ。
みんなより少ないんだから、もう少し食べないとダメよ。(他の園児と比較するのは×)
(食べ終わったのを見て)はい、ごちそうさま!←強制的に片づけてしまう

良い語りかけ⇒
すごい!お皿ピカピカだね!今日もよく頑張ったね。何かおかわりする?
何が一番おいしかった?どれが好き?もう少したべてみる?

食に興味を持ちそうな教材を作りたい

普段、給食をただ食べているだけではもったいないので、給食を食育の媒体として上手に活用しましょう。給食は「食べる食育」とも呼ばれるほど、大切な食育の情報がたくさんつまっています。

例えば、年長さんなら、三食食品群の勉強を始めても良いでしょう。黄色の食品、赤い食品、緑の食品がそれぞれ体にどう大切なのかを伝え、どの食品がどの色の仲間であるかを学習します。ホワイトボードを用意し、食品をマグネットシートなどで作成して、食品マグネットを園児が動かし、どの食品がどの仲間に入るかクイズ形式で食育をすると、今から食べる給食に対して興味がわきます。給食を食べている間も、「○○は赤の仲間だったよね」「にんじんは赤いけどお野菜だから、緑の仲間なんだね。」といったように、園児の間でも会話が弾み復習にもなるでしょう。

また、野菜の塗り絵、野菜スタンプ、菜園なども子供の意欲を育てるとても良い教材です。毎月、どんなことをしたいか、園児に聞くのも良い方法だと思います。

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